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                                                                <img via iniad.org>

2017年4月に新設される、東洋大学 情報連携学部(INIAD)の説明を聞く機会がありました。

東洋大学の新学部とはいっても、キャンパスは北区赤羽台に0から建設、在籍学部生0、大学院生0、教員も東洋大学から0、なのに新規学部募集定員400人、大学院(修士)20名という規模なので、実質全く新しい大学ができるといってもいいかもしれません。

情報連携学部というのは耳慣れない名前ですが、要はコンピューター関連の学部で、その中に4コース;
1)エンジニアリング・コース(コンピュータサイエンス)
2)デザイン・コース(コンピュータデザイン、UIデザイン、プロダクトデザイン)
3)ビジネス・コース(ビジネスインキュベーション、データサイエンス)
4)シビルデザイン・コース(インフラサービス、QOLサービス)
があります。


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                                     <パンフレットより>

コンセプトは「"文・芸・理" 融合」だそうで、自分のなりの解釈では、世界的な理系教育の流れである STEM教育(Science、Technology、 Engineering、Mathematics;理)に Art(芸) を加えた STEAM教育に、さらにコミュニケーション(文)教育を加えたものを目指しているようです。

これだけだといまいちこの学部の特徴が分かりにくいのですが、実は一番の特徴はこの学部長に IoT、TRONの開発で有名な坂村健 現東京大学教授を迎えることだと思います。坂村教授が作るのだから普通の(日本の)大学の学部を作る訳がない!
現在の世界の標準あるいはそれを超える最先端のコンピュータ教育を目指して、カリキュラムの編成、教員の募集、3Dプリンタなどを備えた Makers’ Hub施設や、IoT、ICT化されたキャンパス(隈研吾氏の建築設計)を一から作りあげたそうです。

なので、1年次でプログラミングとコミュニケーション(日本語・英語)が必修で、教養科目は逆に選択だったり、オンライン授業(MOOCs)と小教室対話型授業、チーム実習スタイルだったり、社会人入学、留学生入学、女性入学を奨励していたり、進路もスタートアップを積極的にサポートする体制を整えたりしています。

入試も Web受験が可能だったり、自分の作ったプログラム作品やコンテストの実績などでも受験可能になっています。これだとプログラミング・コンテストやデザイン・コンテストなどで入賞した、とんがった人材も入学できそうです。

という訳で、慶応SFC とはまた違った方向のコンピュータ関連の学部になりそうです。
まだ、卒業生はおろか在学生もいないのでどうなるか分かりませんが、もしかして文系の国際教養大学の理系版みたいな感じで化けるかもしれません。注目しています。


参考)
→・アイデアを形にするプログラミングスキルが必須 - 『世界で活躍する人財の条件』 - 東洋経済オンライン(2016年2月)