macOS_High_Sierra
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(2017.10.27 更新;macOS High Sierra 10.13 でも同じ手順で実行できました。)


macOS をバージョンアップするのを機に、なるべくクリーンな状態にしようと思いました。つまり、macOS  をクリーンインストールするのはもちろん、自分のデータも最小限のデータだけを移行して、アプリ等の設定データは移行しない、アプリもインストールし直すということです。
macOS をクリーンインストールして、移行アシスタントで Time Machine で作ったバックアップを復元する方法は、以前の記事で書きました。
→・OS X をクリーンインストールでバージョンアップして、移行アシスタントでデータ復元するまでの手順

これでもかなりクリーンな状態になるのですが、古い/使っていないアプリの設定データ等もまた復元されてしまうのが気になっていました。
具体的には;
・~/Library/Application Support/(アプリ名等)
・~/Library/Preferences/(アプリ名等)
・~/Library/Caches/(アプリ名等)
などにソフトをインストールするたびに設定データやキャッシュが増えていきます。さらに、ソフトによってはデータを上記以外のフォルダに保存する場合もあり、完全に削除するのは困難なのです。


そこで今回は、次のような手順で新しいOS への移行を行いました。

1.OS のインストール前の準備
1-1.Time Capsule などバックアップHDD のパスワード、無線LAN のパスワードは必ず控えておく
これば分からなくなると、Mac 本体のデータをすべて消去してしますので、元に戻せなくなります。


1-2.データの整理
この際、不要なデータの削除、データの整理をしておきます


1-3.iCloud の設定
iCloud を使うことで、かなりのユーザーデータや設定データが簡単に引き継げるようになりました。
具体的には;
・メール
・連絡先
・カレンダー
・リマインダー
・Safari
・メモ
・キーチェーン
などです。
新しく買った Mac や、OS をクリーンインストールし直した Mac でも、iCloud にログインすることでデータや設定が自動で復元されるので、極力利用するようにします。

メールのデータについても今まではバックアップを取って復元していましたが、IMAP を使う Gmail、iCloud のようなメールサービスならば、その必要もなくなりました。アカウントを設定するだけで、メール本文のデータもクラウド上から同期してくれるからです。


1-4.重要なデータの USBメモリへの保存
特に失ったら困る重要なデータは USBメモリなどに保存しておきます。


1-5.引き継ぎたい設定データを保存
アプリの設定データの内、引き続き使いたいものは USBメモリなどにコピーしておきます。
設定データは上述の
・~/Library/Application Support/(アプリ名等)
・~/Library/Preferences/(アプリ名等)
・~/Library/Caches/(アプリ名等)
などに保存されています。

なお、上記のフォルダは、Macintosh HD>ユーザ>(ユーザー名)>ライブラリ
にありますが、デフォルトでは表示されません。
表示させたい場合は、optionキーを押しながら、Finder の「移動」メニューをクリックすると、「ライブラリ」フォルダが表示されるようになります。


1-6.Time Machine 等でデータをバックアップ
Time Machine のバックアップも稀に復元に失敗することがあるで、複数の HDD につないでバックアップは複数作っておいたほうが安全です。

また、今回のやり方の場合は、自分の必要なデータだけをバックアップしておいてもよいです。(ただし、万一の場合は設定も含んだ完全に元と同じ状態には戻せなくなるので注意が必要です。)

必要なデータだけバックアップをとる場合は、バックアップソフトを使っても良いのですが、単純に必要なフォルダを外付けHDD にコピーするのでもOKです。 
自分も最初は iBackup というソフトでバックアップを取ろうとしましたが、NAS へのバックアップが上手くいかず、単純にフォルダをコピーする方法にしました。
(もちろん、その他に Time Machine のバックアップも作成しました。)

※データのバックアップ、復元には長時間かかります(場合によっては数十時間)。無線より有線 を強く勧めます。(有線LAN なら USBアダプタ経由でなく、Thunderboltアダプタ経由を。)



2.OS のインストール
2-1.App Store から macOS 最新版をダウンロード & インストール
(上書きインストールでいいならこれで完了です。)


2-2.ディスクを消去
Command + R を押しながら起動させます。しばらく待つと、macOS ユーティリティが立ち上がるので、「ディスクユーティリティ」を起動します。

ディスクの一覧に、Macintosh HD (容量の大きい方)などが表示されます。ここで、OS のインストールされている Macintosh HD を選択して、「消去」をクリックします。
(データはすべて失われるので、必ずバックアップを取ってあることを確認しておくこと!)


2-3.macOS を再インストール
再び macOS ユーティリティに戻り、今度は「macOS を再インストール」を選びます。もう一度、macOS のダウンロードが始まり、今度は macOS のクリーンインストールとなります。

このときネットワーク接続が必要なので、無線LAN(パスワードが必要なことも)または有線LAN の用意をしておきます。


2-4.macOS の起動、ユーザーアカウントの作成
ユーザー名は以前と同じにします。(変更しても大丈夫かどうかは未検証。)
iCloud アカウントを設定します。これで、かなりの設定項目が自動で復元されます。

次に、設定アシスタント(移行アシスタントとほぼ同じ)が出ますが、今回は使わないので「後で行う」を選択します。
(移行アシスタントは設定データも復元するので。) 



3.ユーザーデータの移行
3-1.iCloudデータの同期
iCloudにログインして、データを同期させると iCloudに保存されているデータが復元されます。


3-2.Time Machine のバックアップデータを復元
3-2-1.Time Machine のディスクを選択
「Time Machine 環境設定」を起動して、バックアップを取ったディスクを選択(追加)します。(Time Capsule を使っているのなら、Time Capsule パスワードが必要です!)

すると、自動的に Time Machine が初回のバックアップを取ろうとするので、とりあえず Time Machine は「切」にしておきます。 


3-2-2.Time Machine に入る
バックアップを遡っていきます。

ここで注意
Time Machine に入った直後だと、過去のバックアップデータが表示されるまで結構(数分以上)待たされます。
(最初は、過去のバックアップデータには遡れないのかと思ったほどでした。)

また、左のサイドバーのデバイスをいろいろ選択したり、表示フォルダを別のフォルダに変えてみたりすると、急に遡れるようになったこともあります。
例えば、サイドバーのデバイスで、「◯◯のMacBook Air」を選択すると遡れなくて、「Macintosh HD」を選択すると遡れるようになったという経験も。

いろいろ試行錯誤した結果、先に Time Machine のディスクをマウントしておくといいように思えます。

いずれにしろ、個々のバックアップの項目が表示されるのも10秒以上かかることがあります。とにかく、あせらないで!


3-2-3.Time Machine のデータを復元
Time Machine にある必要なデータを選んで「復元」をクリックします

ただし、macOS 標準のフォルダ(デスクトップやダウンロード、書類など)を選ぶと、既に同名ファイルが存在するので、「置き換える」,「結合」などを選択するパネルが出ます。何もデータのない状態なら「置き換える」でもよいですし、心配なら「結合」を選びます。


3-3.コピーしておいたデータをコピー
TimeMachine で復元できなかったデータなどがあれば、必要に応じて USBメモリなどに取っておいたデータを Mac にコピーします。



4.設定データの移行
引き継ぎたい設定データを USBメモリなどからコピーします



5.アプリケーションのインストール
ここまでの操作で、アプリケーションはあえて OS 標準のもの以外は入れていません。

そこで、必要なアプリだけを一つずつインストールしていきます。こうすることでアプリもかなり整理することができ、バージョンも最新版にすることができます。



以上で終了です。
これで、まっさらな macOS を使うことができるようになりました。 



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